ねこちゃんのメンタル案内(=^x^=)精神科のはなし

精神科に通う人、通うかもしれない人の為にあれこれ書いてるブログ

双極性障害と解離性同一性障害の比較から見えること

過剰診断とは、本来は病気にする必要は無い程度の少しの症状だけで病気と診断されること。
精神科ならこんな意味でしょうか。





双極性障害は、過剰診断されることが多いそうです。
本来なら軽躁にもならないくらいの気分の高揚で双極性障害Ⅱ型と診断される事がしばしばあるそうです。
 


解離性同一性障害は過剰診断されるというより、患者側がその診断名を望む場合、診断してあげることもあるそうです。ある意味過剰診断ですね。

解離性同一性障害というのは患者数も少なく、そういう意味でも双極性障害より重大な病気というわけではありませんが、この診断名を望む人というのもいるくらい、ある意味人気な病名です。

アメリカでは多重人格の研究が盛んだった頃があり、その頃は多重人格の患者の人数も多かったそうです。
対してヨーロッパでは多重人格に懐疑的な医者が多く、研究もあまりされていないので多重人格の患者はとても少ないと聞いた事があります。

この話からすると、多重人格に興味があり研究の対象にしたい医者の方が、多重人格と診断する確率が高いことになりますね。




以前、誤診について書きましたが、過剰診断もある意味誤診と言えるかもしれません。






双極性障害を過剰診断されることのデメリットに薬があります
必要のない薬を処方される可能性が高くなります。



なぜなら、双極性障害は薬が必要です。薬で病気を安定させることができます。
リチウムやデパケンなどの気分安定薬が有名ですが、双極性障害はこの手の薬で安定できることが多いです。うつ状態になっても抗うつ薬は基本的に処方されません。



一方、解離性同一性障害は神経症であり薬が必要な病気ではありません。この病名だけで、他に薬で解決できるような問題がないなら基本的に必要のない事が多いです。


解離性同一性障害と過剰診断されても薬がデメリットになることは、ほとんどないと言っていいです。




双極性障害を過剰診断されると公的な診断書に書かれることになると思います。

公的な診断書とは、障害年金や障害者手帳、自立支援医療などの役所など公的な機関に提出する診断書です。

双極性障害は精神病で病名自体に重みがあります。
診断書やその他提出書類の書きようによっては、障害年金の対象になる可能性もあります。

本来は双極性障害ではない人が年金の対象になったら、患者側はメリットかもしれませんが、社会的にどうでしょう。

双極性障害だからといって必ず障害年金の対象になるわけではなく、状態が軽いならそもそも受給できる可能性は低いので問題にするほどでもないかもしれませんが。



一方、解離性同一性障害を公的な診断書に書いても、神経症であるので基本的に病名自体には重みがなく、診断書の内容によっては年金はもちろんのことそれ以外でも審査に通らない可能性さえあります。


解離性同一性障害が実際は違っても本人が望めば診断されることがあるというのは、このように治療においても社会的にも、特に問題にならないからと言えるでしょう。

本人の気持ちの問題のみと言えるかもしれません。

ここが双極性障害と解離性同一性障害の過剰診断における違いです。

双極性障害が実際には診断されるほどの症状ではない状態で診断されたら、問題が起こってくることもあるのに対して
解離性同一性障害は、適応の薬も存在しませんし公的な診断書に書いたところで、どうって事ない病名です。



今から10年以上前、スマホが普及する以前に携帯電話で個人のブログやサイトを作る事が流行っていました。特に当時の若い人には人気でした。

私も当時は若者だったので、自分のブログやサイトを作ったりしていました。個人の日記のようなブログやセンスのあるサイトを見るのが好きで、毎日見て回っていた覚えがあります。

そこでは何故か、多重人格を名乗る人がとても多かったのです。

人格たちの名前や年齢や特徴、口調などが書かれた紹介ページがあり、たまに交代でブログを書いたり、サイトを運営したり、、、

大体は若い女性が主人格です。


私がいいたいのは、これらが偽物の多重人格だろうと言うことではありません。

なぜなら、ネットというか携帯電話の中でしか見かけない人のことなどわからないし、何よりその状況であれば本物が偽物か気にしたところで意味はないでしょう。
本物だろうが偽物だろうが同じです。問題にしたところで意味はありません。

今はSNSなどで解離性同一性障害と名乗っている人を見かける事があると思います。

そうすると、はなから偽物と決めつける人も出てきます。
そして、解離性同一性障害と名乗る人の方は本物だと認めてもらいたがります。

本物か偽物かがとても問題になります。

私は、ネット上だけでしか見かけない相手ならそんな事を問題にする必要は無いと思います。本物だろうが偽物だろうが同じだからです。
解離性同一性障害の人も、どこの誰だかわからない相手にまで認めてもらう必要は無いと思います。



お互い生暖かい目で見てれば良い事です。


最後に
過剰診断だけでなく、実際にこれらの病名を診断される状態の人もいることは言うまでもありません。